成田空港からもほど近く門下街が広がる!真言宗智山派の大本山「成田山新勝寺」を訪れる
はい、皆さんこんにちは。日常生活が楽しくなる情報をお伝えすることを心がけている、旅する写真家のいんたらくとです。
成田駅から新勝寺への参道を進む
本日は『成田』を訪れています。成田は、成田山の大本山としても知られる新勝寺がある門下街です。成田山新勝寺の最寄り駅が、JR成田駅と京成成田駅の2つの成田駅です。ちなみに、成田といえば空港を思い浮かべるかもしれません。成田は古くから門下街として栄えており、郊外は農業が盛んで風光明媚な景色が広がっています。成田空港ももともとは宮内庁の管理する御料牧場でした。成田駅と成田空港駅では名前が似ているので、駅には「空港ではありません」という注意書きが掲示されています。
路線バスで移動することも可能
成田駅と京成成田駅は向かい合うようにして存在しているのですが、それぞれの駅前には路線バスのりばがあります。行先によってバス停が異なり、成田山へ路線バスで移動するにはJR成田駅前にある停留所がのりばです。成田駅と京成成田駅の間に複数のバス停が点在しているため、間違えて他方面のバスに乗るないように注意が必要です。
成田山新勝寺の出入り口である『成田山門前』というバス停までの所要時間は約10分で、運賃は160円です。歩いて移動できるように参道も整備されているのですが、どうしても歩きたくないという場合は路線バスで移動することも可能です。成田空港の北側にある『航空博物館』まで行くバスの場合は、おおよそ20~30分毎に1本の頻度で出ています。
徒歩で参道散策
路線バスで移動することもできますが、距離的にもさほど遠くないことや参道には数々のおみやげ物店が並んでいるため、歩いて移動することにしました。駅から成田山新勝寺までは徒歩でも約17分と散策するのにも程よい距離となっています。道はとてもわかり易く、看板に沿って通りを進んでいくだけで新勝寺の総門前まで行くことができます。
長命泉という成田の地酒を製造する蔵元も参道にあります。
しばらく歩いていくと下り坂に差し掛かり、成田山新勝寺の建物が見えてきます。京都も彷彿させる門下街らしい景色が広がっています。
鰻の名店である『駿河屋』というお店は開店前からすでに行列ができていました。このあたりでは特に美味しい鰻が食べられるお店として知られており、どうやらお昼を過ぎると完売してしまう日もあるそうです。
成田山新勝寺
参道を進んでいくと進んで左手側に成田山新勝寺の総門が現れます。参道というからには突き当りに寺院があるものと想像していたので、思ってもない方向に突然現れたように感じました。道としてはそのまま真っすぐ続いています。左手側が門で、右手側が駐車場となっています。
成田山新勝寺は940年に開山した真言宗智山派の大本山です。日本史でも有名な平将門が朝廷に反乱を起こした『平将門の乱』にあたって、京都の神護寺にあった不動明王像とともに移動してきた追討軍の拠点として設営されていました。平将門が制圧された後に、追討軍は京都へ戻ることとしたものの不動明王像がこの場所から動かなかったことからこの地で開山するに至ったという伝説があります。平将門の討伐に関連して開山されたという経緯から平将門を祀っている『神田明神』との相性が悪いという説もあります。
総門
開基1070年を記念して2008年に建立された門です。境内の中には歴史的な建造物も多くありますが、その中では比較的新しい門となっています。
仁王門
長い歴史のある新勝寺ですが、大本山として参拝客が増えたのは江戸時代の頃からと言われています。江戸時代には歌舞伎役者の市川團十郎が『成田不動』を参拝するようになり名前が広く知れ渡ることとなりました。江戸時代の歌舞伎役者は現在のトップアイドルと同じで、影響力が大きくいわゆる『聖地巡礼』の効果があったようです。
1831年に再建された国指定の重要文化財です。提灯には『魚がし』と奉納した『魚河岸講』と呼ばれる人たちの名前が記載されています。再開発の影響を受けて築地市場の歴史は幕を閉じましたが、江戸時代から築地の市場関係者が成田山を参拝していたという事を現に表すものとなっています。海のない成田山で鰻が名物になっているのも築地市場とのつながりと言われています。
亀池
仁王門の裏手には亀の形をした岩がある亀池があります。急階段を登った先が不動明王像が祀られている大本堂です。
大本堂と三重塔
正面のひときわ大きな建物が大本堂です。1968年に建立された建物です。
大本堂の右側にあるのが三重塔です。1712年に建立された造形の美しい建物です。
大本堂の中にも入ってお参りすることができるようになっています。ちょうどお経を上げる時間が終わったのか、社務所へと戻るお坊さんの列に遭遇しました。
平和の大塔
大本堂から木々の生い茂る道を進んでいくと成田山の宣伝写真にも使われている『平和の大塔』という建物があります。
川まで流れていて大本堂の前とは全く雰囲気が違いますが、この場所も成田山の境内です。
平和の大塔は1984年に建立された建物です。成田山の歴史知ることができる展示や写経を行う道場があります。仏教は成仏するための方法が宗派が分かれているのですが、大きく分けると『言葉や理解する(顕教)』と『修行を積む(密教)』です。真言宗は後者の『密教』なので、言葉では表現できない真理の部分を理解するため、参拝や写経を通じて修行を積むことが成仏への道となっています。
平和の大塔の前には桜の木が植えられており、訪れたときには満開でとても美しい景観となっていました。
来た道は階段しかありませんでしたが、大きく回り道するとどうやら階段を通らなくても上まで来ることができるようでした。意外と高低差があるので、歩くのが大変という場合は回り道をしたほうが良いかもしれません。
光明堂
光明堂は1701年に建立された重要文化財の建物です。参拝している客層が本堂とはガラッと変わったなと感じたので良く説明文を見てみると縁結びの神様として『愛染明王』が祀られていました。仏教の教えでは煩悩を捨てることを大切にしているのの、人間の本来の欲求でもある恋愛に関する煩悩を否定すると人間の存在自体が危うくなってしまうため、利害なく『良縁を願う気持ち』を大切にできるようにと愛染明王という縁結びの神様も祀っているようです。
おわりに
成田空港からも近い関東屈指のお寺である『成田山新勝寺』を訪れました。真言宗智山派の大本山でもあり、不動明王をはじめとして縁結びの愛染明王など様々な仏様が祀られています。歴史の長い寺院であり周辺は門下街として賑やかな参道もあります。東京からも比較的訪れやすい立地でもあつため、散策してお参りするという文化的な日を過ごすにはぜひ訪れてみてください。