雪ミクは最奥11丁目会場の大トリ!訪日観光客で賑わう「第74回さっぽろ雪まつり」会場レポート
はい、皆さんこんにちは。日常生活が楽しくなる情報をお伝えすることを心がけている、旅する写真家のいんたらくとです。
目次
第74回さっぽろ雪まつり
今回は、2024年2月4日~2月11日に開催されている『第74回さっぽろ雪まつり』を訪れています。第74回さっぽろ雪まつりは、日曜日始まり月祝終わりの計7日間のイベントです。さっぽろ雪まつりは毎年2月に開催されている一番規模の大きなお祭りです、。例年札幌の中心部にある大通公園に雪像が設置され、札幌の街の南側で夜にも活気のあふれるすすきの会場には氷像、丘珠空港の近くにあるつどーむ会場には雪遊びできる場所が用意され、地元民だけでなく国内外から多くの観光客が訪れます。今回はそのうち一番規模の大きな『大通会場』を訪れてみました。
札幌国際芸術祭
さっぽろ雪まつり大通会場が開催されている大通公園は、東西に横長の公園で、なん区画にも渡って続いています。さっぽろテレビ塔からも近い大通2丁目会場には、『札幌国際芸術祭』というアートイベントに関連したアートの展示が行われていました。なかなか不思議なアートで興味を引くという点については良いのですが、せっかく雪像が集まっていることがある種のアイデンティティとなっている大通会場に出展するからには、雪像で表現してほしかったかなとは感じました。
過去の雪まつりでは奥の方に設置されていた市民雪像がかなり手前に設置されていました。観光客が明らかに増えて来ているのにも関わらず導線の整理がさほど行われていなかったため、一方通行を逆走する人も多数いるなど若干歩きづらさがありました。
ウポポイ×ゴールデンカムイ
4丁目会場はウポポイ(民族共生象徴空間)×『ゴールデンカムイ』でした。ゴールデンカムイは北海道を舞台にした漫画作品で、雪まつりの開催に合わせるかのような2024年1月からは実写劇場版も公開されておりとても高い注目を集めていました。アイヌの金塊を探しに行くのに、同じく金塊探しをしている敵とデッドヒートを重ねるというストーリーです。
ところどころにフードコーナーも設置されていますが、過年度と比べるとなんだか飲食店は少なくなった印象がありました。
栄光を目指し駆けるサラブレッド
栄光を目指し駆けるサラブレッドは競馬に関連している雪像です。北海道は競走馬の生産地でもあり、ばんえい競馬という北海道独自の馬が走る競馬も開かれている競馬と縁のある地となっています。
雪像彫刻
本郷新記念札幌彫刻美術館は札幌の市街地西部にある大倉山シャンテお近くにある彫刻作品専門の美術館です。美術館の展示の中でメインとなっているのは札幌出身の彫刻家『本郷新』の作品ですが、若手彫刻家の育成や支援のための特別展の実施なども行っています。新進気鋭の彫刻家による雪彫刻作品が展示されていました。
彫刻家の作品としての雪像各種が展示されていました。彫刻家として活躍している方が設計を行ったとおりに雪像を制作しているため、設置されているのはどれもバランスが考えられた美しい雪像ばかりでした。大きな雪像の方に目を奪われがちですが、会場を訪れたら必ず見るべき雪像と言っても過言ではありません。彫刻家の方々が考えるオリジナルの表現としての雪像となっているため、雪まつりの会場内にある他の雪像とはまた違った方向性で作られています。雪像なのに雪像とは思えない流線型の作品は見た目が美しくてとても眼福でした。
協賛企業による無料休憩所
雪まつりの会場内には暖房の効いている無料の休憩スペースが設置されています。マイナス気温の中を歩き続けると身体の芯まで冷え切ってしまうので、ところどころにこういった休憩所があるのはとても助かります。
ドイツ広場の中雪像各種
ノイシュバンシュタイン城のあるドイツ広場は企業公式の雪像が多数設置されていました。7丁目にはキャラクター雪像が設置されていました。人気のあるアニメやゲームのキャラクターが雪像になって展示されていたのでそれぞれファンの方と思われる人達によってにぎやかな空間となっていました。
太田胃散の『太田胃にゃん』雪像は小さなすべり台も設置されていて子どもも楽しめる雪像となっていました。
呪術廻戦、ハイキュー!!の雪像です。
ガンダムの雪像です。ガンダムシリーズの『ガンダムSEEDフリーダム』という作品に搭乗するガンダムです。グッズ販売には、様々な言語を話す人達で行列が出来ていて注目の高さが目立っていました。
ノイシュバンシュタイン城
7丁目会場の大雪像は、ドイツ共和国バイエルン州にあるノイシュバンシュタイン城でした。ノイシュバンシュタイン城は、当時の王様であった、ルードヴィッヒ2世によって建設されました。漫画名探偵コナンやアニメSPY×FAMILYでもノイシュバンシュタイン城をモチーフにした西洋風のお城が登場しているため、なんとなく見覚えのある城という方も少なくないかもしれません。宮殿でもなく要塞でもない王様の趣味で作られた建物で、とても美しい形状のお城を再現した雪像となっていました。
ノイシュバンシュタイン城は、1869年頃から第4代バイエルン国王ルートヴィッヒ2世が思い浮かべていた『古き美しい世界感』を実現するという趣味のために作ったお城です。ヨーロッパで中世に作られた城というと防衛施設としてのお城を思い浮かべますが、ノイシュバンシュタイン城はまるで舞台のセットのようなとても美しい建物です。なお、ルートヴィッヒ2世は巨額の負債が原因で王位を追われることとなりました。
旧札幌停車場
8丁目会場の大雪像は『旧札幌停車場』でした。旧札幌停車場は新札幌駅ちかくにある北海道開拓の村という場所で保存されている歴史的建造物です。札幌駅の駅舎としては3代目の駅舎で、1908年から1952年まで使用されていたそうです。今ではレトロな建物のひとつに並んでいますが、建設当初は最先端のおしゃれな建物としてとても評判になったとも言われています。
市民雪像
毎年様々な市民雪像を見ることができますが、市民雪像はその年の流行り廃りが如実に現れるので、「こういうのが話題になった」としみじみと感じることができます。
市民雪像の中でダントツの面白さを感じたのが雪だるまです。雪像の原点ともいうべき雪だるま。美しさを追求した結果として『こけし』のような形になったのだとすると、伝統的な形というのはやはりよく検討された形であるということがよくわかります。
毎年恒例となりつつある人体のパーツ雪像の今年版は胃でした。外側はツルッとしたシンプルな造形ですが、内側の作り込み度合いはこだわりを感じます。
北海道ボールパークFビレッジ
10丁目は北海道ボールパークFビレッジ Let’s play! スノースライダーでした。札幌ドームからの移転のために開業したエスコンフィールド北海道と監督の雪像です。北広島駅からも離れているという立地面に難があることや攻めた価格設定というものがどこまで一般に受け入れられるのかと言うのはやはり気になるところです。
国際雪像コンクール
11丁目では2024国際雪像コンクールが開催されていました。参加国・地域の人々が雪像制作を競います。大会会期中に制作することとなっていたので、訪れたときにはまだ制作途中でした。
どこの国・地域も自国らしさを前面に打ち出したデザインの雪像を作っており、11丁目会場だけはなんだかとてもバラエティ豊かな雪像空間となっていました。
SNOW MIKU 2024
SNOW MIKU 2024の雪像は雪まつり会場の一番奥にありました。数年前に訪れたときは札幌で開催されていた『雪ミクイベント』でしたが、本年は小樽での開催となっていました。小樽は札幌からも比較的訪れやすい場所にある街とはいえ、訪れるからには1日がかりで訪れる必要があるため、イベントとしては不便になってしまって残念でした。
カーリング体験
大通公園を一通りまわって次第にスタート地点へと戻ってきました。夏には緑の芝生、冬には白い雪と訪れる時期によって見える景色も変わります。
大通公園の端まで行ったので、最後にテレビ塔の前まで戻ってきました。テレビ塔のすぐ下の1丁目会場では、アイドルマスターシンデレラガールズのゆきます雪像が設置され、またカーリング体験を実施していました。カーリング体験は1回300円です。ただまっすぐ点数の円のなかに入れるだけでなく、他のストーンを弾いたり自分のストーンを避けるために回転をかけてカーブを描くように投げるなど、見ているだけでも面白い体験でした。
おわりに
第74回さっぽろ雪まつりを訪れました、今年の雪まつりに対する全体的な感想としては『柵が増えて誘導スタッフが減った』ように感じました。誘導スタッフが減ったことで会場内で行き来する人たちが思い思いの方向へ進み、お互いが交差することになってとても歩きにくい会場となってしまっていました。
また、雪像の数が減って雪まつりとしてのインパクトが薄くなっていたようにも思います。数年に渡って規模を中止や縮小しての開催が続いていたので仕方が無いのかもしれませんが、今後に向けて改めてコンセプトを再確認してほしいなと思いました。