自家用車禁止のカムイワッカ湯の滝へ!知床斜里駅から夏期限定の「知床シャトル」に乗車する
はい、皆さんこんにちは。いんたらくとです。
知床シャトルバス
知床シャトルバスに乗車してカムイワッカ湯の滝を目指すことにしました。知床シャトルバスは斜里バスの運行する有料シャトルバスです。知床シャトルバスが運行されている期間は、主要観光スポットに停車する知床シャトルバスに乗車するととても快適に知床観光をすることが可能となっていました。知床斜里駅~カムイワッカ湯の滝の間を高頻度運行しており、専用の知床シャトルバス乗車券を所持していれば途中下車も可能というとても観光客に優しい設定が行われていました。
しかしながら、2023年からカムイワッカ湯の滝の有料化に伴い、柔軟な移動が可能だった知床シャトルバスは事実上の廃止となっています。有料化して便利になるのではなく、不便になって運賃値上げが実施されました。
知床シャトルの運賃
大人 | 2,400円 |
小人 | 1,200円 |
2022年までの知床シャトルの運賃は大人2400円、小人1200円でした。行きのチケットと帰りのチケットの2枚綴になっており、一方向に進んでいる限りは途中下車することが可能で、とても知床観光に便利なチケットとなっていました。行きのチケットはシャトルバス終点のカムイワッカ湯の滝で、帰りのチケットは知床斜里駅で回収されます。行きもしくは帰りの途中で、知床自然センターや知床五湖に立ち寄る場合は、行きもしくは帰りのチケットを提示するだけで降りることが出来ました。
有料化に伴う変更点
区間 | 大人 | 小人 |
---|---|---|
斜里~知床自然センター | 1,800円 | 900円 |
カムイワッカ湯の滝のぼり体験 | 2,800円 | 500円 |
斜里~カムイワッカ湯の滝(体験料込) | 6,400円 | 1,400円 |
これまでは、知床シャトルバス乗車券を入手すれば知床国立公園のなかの主要な観光スポットに立ち寄ることが出来ていましたが、これからは『知床斜里駅~知床自然センターの運賃』と、『知床自然センター~カムイワッカ湯の滝の送迎を含んだ体験料』がかかるようになります。したがって、知床斜里駅からカムイワッカ湯の滝まで訪れた場合は大人6,400円となります。
斜里からカムイワッカ湯の滝へ向かうために知床自然センターで乗り換えが必要になり、カムイワッカ湯の滝へ行く道中にある知床五湖で途中下車が不可となりました。今まで斜里からカムイワッカ湯の滝まで通しで計算されていた運賃が、知床自然センターで分割されてしまっていること、知床五湖に立ち寄るためには更に余計な往復移動が発生します。これで観光客にとって魅力が向上したというならあまりにも不思議な状況です。
カムイワッカ湯の滝へ向けて出発
斜里の市街地から知床方面へと出発しました。知床斜里駅を出発すると国道336号線を通ります。国道336号線は、どこまでもまっすぐ続く『天に続く道』として知られる道の一部です。天に続く道は平地にある国道336号線と坂道が続く農道で構成されている道で、景観として知られているのは農道の坂の上にある展望台から国道方面を眺めた景色です。
天候が不安定で雲が山の谷間に溜まっていました。あの雲が流れてくると雨が振りそうです。
オシンコシン岬
海岸沿いの道を進んでいるとオシンコシン岬が見えてきました。オシンコシン岬の近くにはオシンコシンの滝という名所があります。
路上には熊の親子
道の駅うとろ・シリエトクを通過するといよいよ知床国立公園の範囲内に入ります。順調に走っていたバスが路上で一時停止したのでなにかと思ってみると路肩に熊の親子3匹が座り込んでいました。ゆっくりと側面を通過したら追いかけられないように一気に距離を離します。道端に熊が座り込んでいるというのは、「車に近づくと餌が貰える」と認識している恐れがあるので、あまり良い兆候ではないそうです。大型バスならいざという時は高い馬力で逃げられるので安心です。
自家用車規制エリアへ
知床五湖やカムイワッカ湯の滝までの道路は混雑や環境保全のために、多くの人が訪れる期間は自家用車での立ち入りが出来ません。自家用車やレンタカーで訪れる場合は、途中の道の駅等の駐車場に駐車して、知床シャトルバスに乗車する必要があります。自家用車での立ち入りができたとしても狭い砂利道が続くので、いずれにしても知床シャトルに乗車したほうが安全に移動できるので良いと思います。もしもすれ違いが発生するようなことがあれば、どちらかがずっと下がり続けることになってしまいます。
カムイワッカ湯の滝は知床五湖よりも約10km先にあります。バスは砂利道の道道93号線をぐんぐんと進んでいきます。
カムイワッカ湯の滝停留所に到着
カムイワッカ湯の滝停留所に到着しました。道道はここまででここから先は林道です。林道はあくまでも作業のための道なので、許可のある車両以外は入ることは出来ません。バス停からカムイワッカ湯の滝までは約1kmほどは歩いて移動する必要があります。バス停からカムイワッカ湯の滝まではやや離れているので砂利道でも歩きやすい格好にて訪れることを推奨します。道路そのものはまだ先まで続いているので、せっかくならもう少し近くまでバスに乗って移動できたら良いのですが、あくまでも林道として作業用車両が通れるだけの簡易的な道が続いているだけなのでバスが入るにはとてもハードルが高そうです。
おわりに
このときは便利な知床シャトルバスに乗って知床斜里駅からカムイワッカ湯の滝まで行けたのですがそれももう過去の話です。まだ試行パターンのひとつなのかもしれませんが、まるで『旧時代の遊園地』のような印象で微妙と言わざるを得ません。バスでの移動手段を寸断したり、割高な運賃設定が行われたりすると、余計に車での来場を促進する結果に繋がります。これは魅力向上と言えばなんでも黒いものが白くなるような事態です。とても大きな国立公園だからこそ、まずは『公共交通機関』のあり方について再考してもらいたいなと感じます。