小樽駅から徒歩約5分!北海道最初の線路を散策できる遊歩道「国鉄手宮線跡地」を訪れる
はい、皆さんこんにちは。いんたらくとです。
函館本線で小樽駅へ向かう
札幌駅から小樽駅までは本数も多く『官営幌内鉄道』を前身とする函館本線の一部に乗車します。官営幌内鉄道は1880年に手宮から札幌経由で幌内駅まで北海道では初めて設置された鉄道です。現在では北海道を代表する街となった札幌ですが、官営幌内鉄道が開業したときは途中駅のひとつでした。今から訪れる手宮線跡地もこの官営幌内鉄道の路線の一部でした。
札幌駅から小樽駅までは北海道の他の都市と比べると圧倒的な近さで約40分で到着しました。札幌小樽間は乗ってしまえば近いものです。小樽駅は快速エアポートの始発駅でもあるため新千歳空港まで乗り換え無しで移動することが可能とアクセスも良好です。
官営幌内鉄道では炭鉱の街の三笠にある幌内で石炭を積み、手宮にあったという桟橋で船に積み替えて各地へと運び出していました。石炭輸送を行っていた当時の小樽駅は現在の『南小樽駅』であり、今の小樽駅は小樽に鉄道が通ってからずっと後の1903年に『小樽中央駅』として作られたのがはじまりです。小樽駅では、1934年に建てられた3代目の駅舎が使われています。
国鉄手宮線跡地
国鉄手宮線跡地は、小樽駅から徒歩約5分の場所にある手宮線の廃線跡を利用した遊歩道です。旧国鉄手宮線は1985年11月5日に廃止されました。現在の南小樽駅の場所にあった小樽駅と石炭積み出しの桟橋施設があった手宮までの路線で、廃線後にはほぼ全区間がそのまま遊歩道として整備されています。
営業当時に近い状態で遊歩道として整備されており、踏切も含めて残されている部分も多いです。経年による歪みや錆びがあるほかは今にも列車が走ってきそうな雰囲気があります。驚くことに、廃線後の1986年には小樽市総合博物館で静態保存されていたC62形蒸気機関車3号機の鉄路輸送の実績もあります。鉄道が廃線となると野山に還るか周囲の開発に合わせて撤去されるのが一般的で、廃線後の路線を使って輸送が行われるということは滅多にあることではありません。それだけ営業時に近い形で残されているということのようです。
ちなみに、官営幌内鉄道として開業した区間のうち両端とも廃線となってしまっていますが、いずれも博物館として鉄道が走っていた歴史が展示されています。手宮は小樽市総合博物館、幌内は三笠市鉄道博物館です。官営幌内鉄道の跡地は今でも鉄道好きなら訪れて楽しめる施設なのでぜひ訪れてみてください。
おわりに
国鉄手宮線跡地には過去には観光用のLRTの設置が検討されたこともあったようです。新たに整備するとなると採算上の課題が大きそうな予感がします。しかし廃線からの復活も検討できるような状況というのはとても夢のある話です。
小樽運河に向かう途中にあるので、ちょっと足を伸ばして『北海道で最初に作られた鉄道』を歩いて北海道の鉄道の始まりを感じてみるのも良いかもしれません。また、営業中の線路に入ることは大変危険ですが、手宮線跡地では誰でも線路の上を安全に歩くことが可能となっています。線路の上を歩きたい方にもおすすめのスポットです。