できたてプレオープン期間中の様子!札幌北部の当別町にある工場見学「ロイズカカオ&チョコレートタウン」へ行く
はい、皆さんこんにちは。いんたらくとです。
目次
工場のためのロイズタウン駅
ロイズのロイズタウン工場は、旧称をロイズふと美工場と呼ばれる当別町にあるチョコレート工場です。ロイズタウン工場には工場見学が出来る『ロイズカカオ&チョコレートタウン』が併設されています。ロイズタウン工場ではカカオの選別と製品としてのチョコレート製造を行っています。
ちなみに、石狩川対岸のロイズ本社でもあるあいの里工場ではカカオマスやココアバターの配合によって作られる原料チョコレートの製造を行っています。あいの里工場とロイズタウン工場をあわせて『ロイズのチョコレート』が製造されています。
チョコレート工場行きの無料シャトルバス
ロイズタウン駅とロイズタウン工場(旧ふと美工場)の間には無料のシャトルバスが運行されています。ロイズタウン駅からロイズタウン工場までは見えている距離で、歩いて移動することも可能ですが、無料のシャトルバスに乗って移動できれば快適です。シャトルバスの発着時刻は、列車に合わせられているので、行きも帰りも基本的には列車に乗り継ぐ事が出来ます。
無料のシャトルバスは工場従業員の方の移動にも使われているため、必要に応じて工場の正面玄関にも停車することがあります。ただし、一般の方は下車しても特に何も無いので、正面玄関では降りないようにしてください。
ロイズ カカオ&チョコレートタウン
ロイズタウン駅から無料シャトルバスでロイズ カカオ&チョコレートタウンに到着しました。ロイズ カカオ&チョコレートタウンは工場見学と工場直売店やイートインコーナーも設置されているロイズの観光施設です。工場直売店は街なかのお土産ショップと比べ物にならないほど充実した品揃えになっているので、お買い物のために訪れてもワクワクとした気分になります。
無料シャトルバスのりばからロイズ カカオ&チョコレートタウンの建物の出入口まではローズガーデンになっています。冬には雪の山になっていますが、暖かい時期になるとバラを中心に様々な花が咲いています。通路は除雪されていたので通行に問題はありませんが、記念撮影スポットはあまりの雪の多さで埋まってしまっていました。
プレオープンの入館料
大人 | 1,000円 |
小人 | 300円 |
ロイズチョコレートタウンの工場見学コースは2022年11月7日にプレオープンしました。プレオープン時の入館料は、大人1,000円、小人300円です。見学コースの順路はほぼ完成しているものの工場の稼働状況や展示物の準備の面でグランドオープンとは異なる部分があるそうです。なお、工場見学コースのエントランスにあたる『工場直売店』と『イートインコーナー』のみ利用する場合は、入館料が不要となっています。
ロイズカカオファーム
展示の一番初めはロイズがコロンビアで運営している自社農園の空間を再現したロイズカカオファームについての展示です。実際の作業が行われている工場設備の見学の前に、チョコレートの主要な原料である『カカオの生産』にスポットライトを当てた展示から始まります。工場で製品チョコレートに加工する部分は全工程のほんの僅かな部分ということがわかります。
カカオの収穫
収穫される頃のカカオの実の重さは約600g~650gとなっています。木の実ということを考えると重めですが、持った感じは重すぎることもなく軽すぎることも無いという印象を受けました。
熟したカカオの実を割って中身を取り出します。中身はカカオパルプと呼ばれる白くてネバネバとした果肉です。パルプに包まれているのがチョコレートの原料として使われるカカオ豆です。
カカオ豆の発酵
カカオパルプが付いた状態のカカオ豆を約1週間発酵させます。
発酵工程を経ると茶色い色に変化してチョコレートの原料としても違和感のない色合いになります。
カカオ豆の乾燥
発酵が終わったら、カカオ豆を専用の乾燥棚で日光に当ててよく乾燥させます。雨が降ったら棚を収納して、太陽が出てきたら棚を展開する作業の繰り返しです。
乾燥棚で乾燥させるときには、地面を均すのに使うトンボのような道具でかき混ぜます。混ぜることによって均等に乾燥するようにします。
カカオ豆が生産されている環境を学ぶことが出来ました。ロイズのチョコレートはコロンビアにある自社農園などで生産されたカカオ豆を使用して作られています。
カカオの知識コーナー
工場見学に進む前にカカオについての知識を知ることが出来ます。カカオについての知識を知っておくことで、この後の工場見学コースがより楽しめるようになります。知識コーナーはここだけで内容がぎゅっと凝縮されているので、覚えることも多いのですが、ここで覚えた内容はこの後の工場見学で役に立ちます。
ロイズの板チョコレートは、ブラックで約100粒、ミルクで約70粒、ホワイトで約50粒相当のカカオ豆が使われています。ブラックはカカオマスが多くとココアバター少なめ、ミルクはカカオマスとココアバターが程よく、ホワイトはココアバターのみが使われているため、単純に豆そのものが使われているわけではないので、あくまでも粒数は参考のものです。
カカオ豆が工場へ向けて運ばれるときには約70kgの麻袋に詰められて出荷されます。試しに引っ張ってみましたが、なかなか重くて持ち上げるのはかなり大変でした。カカオ豆の豆袋は大人1人分の重さがあります。
チョコレート工場見学
ロイズカカオファームの展示で、カカオ豆が生産されている環境について学んだあとは、ついに加工の工程にはいります。コロンビアから北海道に運ばれてきたカカオ豆のチョコレートへの加工が始まります。
工場の清潔な環境
カカオ豆がチョコレート製品になるまでの様子を実際の製造機械を見ながら進んでいくのですが、その前に工場の衛生環境についての展示がありました。従業員の方が履く靴は、靴の裏に異物や汚れが付着していないかを一目で確認できるようにズラッと並べて保管しているそうです。
手洗いや消毒の他にもエアシャワーや粘着ローラーで細かい塵や汚れも除去します。ちなみに工場の緑色の床は隅にホコリが溜まらないように角がなく曲面になっています。
工場見学では実際に靴を履き替えて服を着替えることはありませんが、着替えたあとの姿になれる記念撮影コーナーがあります。着替えたあとはエアシャワー体験です。エアシャワーは強風が吹き付けるので、本当に細かい塵やホコリが吹き飛ばされます。エアシャワーは強い風が吹き出すので、体験する際にはアクセサリーなどが吹き飛ばされないように注意してください。
カカオ豆の加工工程
カカオ豆がロイズタウン工場に運び込まれて来るとまずは形の良し悪しで選別が行われます。形が悪いものや異物は選別工程で取り除きます。
カカオ豆は工場に運び込まれてきた段階では不揃いの状態になっているため、機械を使って自動的にふるい分けます。仕組みとしては穴の開いている篩に掛けて、大きいものは上に残り小さいものは下に落ちていくというものだそうです。
選別工程をクリアしたカカオ豆は、一定の速度で回転させながらローストしていきます。ローストすることでカカオ豆を香ばしい風味が出せるようにします。
カカオ豆の加工の工程は、大きな部屋に様々な機械が設置されているため、どの機械がどの工程を担当しているのかが若干わかりにくいのが難点でした。グランドオープンまでには機械側にも説明看板が装着されるかもしれません。
カカオマスとココアバター
ローストして粉砕したカカオ豆から硬い外皮などの不純物を取り除いたものを『カカオニブ』と呼びます。カカオニブを更に細かく粉砕してペースト状にしたものが『カカオマス』です。カカオニブの状態ではまだあくまでも豆ですが、カカオマスになるとそのままでもチョコレートの原料として使えるようになります。
カカオ豆を焙煎したものを砕いたのがカカオニブです。カカオニブから外皮や異物を取り除いた『カカオマス』と、カカオマスを圧搾した『ココアバター』がチョコレートの原料になります。カカオマスとココアバターのバランスによってミルクやビターの味の違いを生み出しています。
ココアバターを作る時に出た絞り粕を乾燥させたものがココアパウダーです。ココアパウダーはチョコレートの製造工程によって発生したおまけみたいなものです。
原料チョコレートの製造
カカオマスとココアバターというチョコレートの重要な要素が準備できたら、次の工程では砂糖やミルクを混ぜ合わせることで原料チョコレートの製造が行われます。原料チョコレートの製造はロイズタウン工場ではなくあいの里工場で作られています。ロイズタウン工場では製造工程は模型を使った展示となっています。
風味を安定させ口溶けを良くするために何度も混ぜたり伸ばしたりする工程があります。混ぜたり伸ばしたりすることでカカオマスとココアバターのカカオ豆の成分とチョコレートとして美味しく食べるための砂糖やミルクなどがしっかりと均等にっ混ざります。
最後に貯蔵タンクに保管して製品への加工を待ちます。すでにチョコレートとしては完成しているものの、製品として出荷されるには更に加工が行われます。貯蔵されているのはいわゆる製菓用チョコレートの状態です。
工場の倉庫
工場の倉庫にはチョコレート製品を作るための様々な原材料が保管されています。保管されている原材料を原料チョコレートと混ぜたり掛けたり入れたりすることで製品としてのチョコレートが完成します。
チョコレートゲームコーナー
工場見学の最後にはチョコレート製造ゲームコーナーがあります。工場見学で見てきた製造工程を振り返ることができるミニゲームが設置されています。ミニゲームのゲームは定番のミニゲームではありますが、チョコレートの製造工程にちなんだ内容にカスタマイズされているので、遊びながらチョコレートが出来るまでを確認することになりました。
充填はリズムゲームです。タイミングよく規定量になるまでチョコレートを入れていきます。
レバーを移動させて、タイミングよくアイテムを取っていくシューティングゲーム。
チョコレートクイズは毎回クイズの内容が変わるので、なかなか満点を取るのが難しくなっています。
ゲームコーナー記念撮影スポットもあります。巨大なチョコレートの箱の中に入って記念撮影することが出来ます。チョコレートの熊を作る時に使われる型に入れるスポットもあります。
パッケージングの工程では完成したチョコレートの状態を検査します。検査に合わせて実際のチョコレートを食べてみるという体験が用意されています。
ハンドルを回すとピュアチョコレートが1枚出てくるので、食べてみます。いつもどおりの美味しいチョコレートでした。食べたあとのゴミは隣りにあるゴミを取り除くための機械に吸い取らせます。
工場の作業工程で汚れが付着することもあるので工場に入るときと工場から出るときは別の出入口を使用しているそうです。見学コースも同じ様に別の出口から出ます。出口から出る時に、靴は洗浄機で綺麗に洗って、次の日のために靴底を裏側にして帰るという手順となっています。
チョコ包装紙の森部一雄コレクション
森部一雄というチョコ包装紙の収集家が集めた包装紙コレクションが展示されています。ロイズだけでなく様々な国を代表するような包装紙が展示されています。もしかすると懐かしいパッケージに出会えるかもしれません。
ロイズミュージアム
ロイズが所有している文化的なグッズを展示しているのがロイズミュージアムです。
ミュージアムなので絵や工芸品が展示されているのは驚きませんでしたが、ジュークボックスや自転車が展示されていたのはびっくりしました。
チョコレート作り体験
チョコレート作り体験は1500円です。入館料とは別に料金がかかります。23cm×12cmの大きなサイズの板チョコレートにトッピングを乗せて、オリジナルチョコレートを作ることが出来ます。所要時間は約20分~30分です。チョコレートを冷却するのに10分はかかるので、どれだけ最速でトッピングを行っても体験に必要な時間は最短20分は見込んだほうが良いと思われます。
トッピングのテーブルにはトッピングのサンプル写真が置いてあります。デザインに困ったらサンプルに合わせて作るとセンスの良い感じに作ることが出来ます。
製品パッケージ
工場見学の最後に製品パッケージを一面に展示したコーナーがありました。季節限定のものもてんじされていたので、食べたことのあるロイズ製品を探して楽しめました。
イートインコーナー
工場直売店ではすぐに食べられるパンやスイーツも取り扱いがあります。工場見学では結構な距離を歩いたのでイートインスペースで、休憩できるのはとても良く考えられていて素晴らしいです。
おわりに
ロイズタウン工場見学コースのプレオープンに行ってみました。工場見学で入場料がやや高い設定になっているので、どんなものかと思っていましたが、規模や内容がとても充実していたため価格設定としてはまあまあ仕方がないかなと思いました。工場見学の部分はあくまでもひとつの要素で、全体的にみたときには科学館に訪れたときのような雰囲気です。工場直売所の利用だけであれば1時間もあれば十分ですが、工場見学コースはじっくりと見学すると2~3時間はかかるのでほぼ半日は見込んだほうが良いです。