翻訳こんにゃくならぬ、リアルタイムで翻訳してくれるスティック型端末「イリー」の実機を見てきました。
はい、みなさんこんにちは。いんたらくとです。
ili(イリー)
ili(イリー)とは渋谷区にある株式会社ログバーが開発した世界初のウェアラブル翻訳デバイスです。今年の4月から主要空港にあるGLOBAL Wi-Fiのカウンターにて、一般向けのレンタルサービスが始まっています。偶然にもツーリズムEXPOジャパン2017に出展していたのを見つけたので、話を伺ってきました。
翻訳に必要なのは0.2秒
使い方はとっても簡単で、中央のボタンを押しながら話しかけ、手を話すと瞬時に翻訳されてスピーカーから翻訳結果が出力されます。例えば、日本語で「お腹がいたいです」と話しかけると、イベント会場というとても騒々しい環境でもワンテンポも置かずに「I have a stomachache」と出力されました。他にも旅行で使いそうな言葉を試しましたが、試した範囲では無事に翻訳されていました。
“STREAM”という独自の技術によって、たったの0.2秒で翻訳できる仕組みになっているそうです。
辞書データについて
辞書データは旅行でよく使われる言葉を優先して収録されていて、誤訳を防ぐように調整されているとのことです。今のところは対応していない言葉もあるようですが、今後はもっと翻訳可能な言葉が増える予定だそう。
ただし、商談や交渉などの業界用語や専門用語が含まれがちな長くて複雑な文章は苦手だそうです。専門用語に関しては大規模企業向けに専門用語を含むカスタムデータを配信することがあるかもしれませんが、基本的に一般向けの製品では対応しないものと思われます。
オフライン翻訳で持ち運び自由
翻訳はオフラインで行っているため、通信が禁止されているような環境や通信状況が悪いような僻地でも使用することが可能です。具体的には飛行機の機内や秘境と呼ばれるような絶景ポイント、離島の観光地でネットワーク環境が不安定な場所でも使用可能ということです。オフラインなので上の翻訳例のように病院内でも使用することができます。
また、ストラップホールがついているので、使用しないときは首から下げて胸ポケットに収納しておくことができます。サイズは『フリクションボールペン3本分』で、重さは『体感で2本分くらい』でした。胸ポケットに入れておけば、使いたいときにすぐに取り出すことができます。
コトバの壁 さようなら
「積極的に海外旅行に行かれる方は、程度に差はあれど英語を理解できると思います。それでも、思わぬアクシデントの際に使い慣れている日本語で状況を伝えることができる点が大きなメリットです」とおっしゃっていました。また、現地の方との交流を深めたいときにも、このデバイスを使用することで、細かい英語表現が可能になるということもこのデバイスの素晴らしい点です。
おわりに
初めてili(イリー)というデバイスが開発されているという情報を知ったのは、2016年の秋〜冬頃でした。この時から、ili(イリー)というデバイスについての情報を初めて見たときから、私はこのデバイスにとても期待していました。もしかすると言語の壁を心配して足踏みしている人々が、海外へ行けるようになるのではないだろうか、と。また、気軽に現地の人とも交流することができるようになって、新たな気づきを得られるようになれば、その旅行の”密度”が今以上に高まることは間違いありません。
今、旅行はモノ消費からコト消費へと変化してきています。インターネットによって世界中がつながり買い物はどこでもどこからでも可能になったため、モノを購入することで得られる”価値”が下がってきているからです。そして、コト消費にはコミュニケーションを取ることが欠かせません。コトには必ず人が介在しているからです。現地の文化を体験する、地元の美味しい料理を食べる。いずれもコミュニケーションを取ることが必要です。
台湾の山奥にある『烏來』へ行ったとき、公衆温泉で現地のおじいさん達と話したこともあります。その時は歴史的な背景から日本語が通じました。でも、そういう環境ばかりではありません。『マカオ』に行ったときは、メニューにある”饅頭”を注文したら”中身のない蒸しパン”が出てきました。最終的には肉まんを注文することができましたが、そのときにili(イリー)のようなウェアラブルデバイスがあればもっと楽に注文できたかもしれません。
さて、グローバルWi-Fiのレンタル品は1日1200円(投稿した時点ではキャンペーンで500円)でレンタルできるようになっていますが、一般販売される際には果たしていくら位のなるのでしょうか。気軽に購入できるような金額なら、大ヒットしそうな予感がします。今後の展開が楽しみです。