バットマンのダークナイト三部作の第2作目「ダークナイト」視聴レビュー
はい、皆さんこんにちは。いんたらくとです。
この記事にはネタバレを含みます。
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ダークナイト
ダークナイトは2008年に公開されたワーナーブラザーズの映画です。(画像は公式サイトより)
この記事を読んだあとでも映画が楽しめるように「敵は誰」とかそういう陳腐なネタバレはできるだけ避けるようにはしています。それでは、ネタバレもありということで、あらすじや個人的にぐっと来たシーンを交えながら進めていきたいと思います。
前作(1/3)
次作(3/3)
不穏な動き
ダークナイトは開始早々から不穏な動きを見せます。前作のバットマンビギンズでは、バットマンが華々しい活躍を見せました。光が強くなれば影も強くなります。バットマンの劇場型の演出を真似た犯罪者「ジョーカー」という名前が登場します。
バットマンはといえば、新たな犯罪に立ち向かう日々でしたそれだけでなく、バットマンが活躍することで、ヒーローに憧れた人々による偽バットマンが多数発生している状況にも頭を悩ませていました。
ジョーカーが次から次へと事件を起こしていきますが、ジョーカーの狙いは真のバットマンを引きずり出すことでした。
「バットマンが名乗り出ないことが犯罪を続ける理由」とアピールし、バットマンが表に出なければならない雰囲気を作り上げていきました。ジョーカーは、ジョーカーの犯罪ではなくバットマンが名乗り出ないことに市民のヘイトを集めることに成功したのです。
味方の中の敵
フォックス「リース君 何だ?」
リース「ラウ社の査定を確認していて、不審な点を見つけた」
フォックス「社長が警察に勾留中と?」
リース「いいえあなたの会計処理だ。ウェイン社の応用科学部がひと晩でそっくり消えてる。それで昔のファイルを調べてみた。」
「何とバットモービルは応用科学部で作られた。今も研究開発部の金を見境なく使って製作中だ。」
「”軍の携帯電話”だって?本当はバットマンの宇宙船か?」
「口止め料は年間1000万ドル僕が死ぬまでだ」フォックス「ではこうか、君の有力な顧客にして世界有数の資産家である男が謎の自警市民で毎晩街に出て丸腰で犯罪と戦っている。君はそんな男から金をゆすろうと?名案だな。」
リース「これは返す」(証拠の書類を渡す)
そんなある日のこと、会社の一員であるリースにバットマンの正体が実質的にバレてしまいます。リースの正義は、バットマンの正体を明かしてジョーカーの演出を台無しにすることで、これ以上の犠牲者を出さないようにするというものでしたが・・・。
正義のヒーローとして持ち上げられているバットマンが正体を明かせばジョーカーによる犯罪は止まるかもしれませんが、これまで積み上げてきたものが水の泡になってしまうという点で、バットマンは正体を明かすことには消極的でした。
ジョーカーにとってもリースによって舞台設定が台無しにされるのは好ましいとは言えず・・・。ですよね~ということになります。映画の設定だからというだけでなく、リアル世界でもこのような人物は存在できないでしょう。
両方の立場を上手にくぐり抜けて、一抜けしようとする者への処遇はいつだって相場は決まっています。
ジョーカーという
ニュースキャスター「果たしてジョーカーは予告どおり市長殺害を実行するのか」
アルフレッド「ありました。メルヴィン・ホワイト、ランドルフ・アパート1502号室。加重暴行で2度アーカムへ」
ジョーカーによる心理的圧力に屈することなく沈黙を続けてきたバットマンでしたが、騒動も大きくなりこの一件でついに動かざるを得なくなりました。秘密基地でニュースを見つつもジョーカーの居所を探し出し、その場に急行しましたが・・・。時既に遅し、その場にいたのはジョーカーではありませんでした。
これまでの騒動に重ねて今回の事件が起きたこと市民の怒りも大きくなり、もうあとには引けない状況になってしまいました。
バットマンの正体がばれる!?
ハービー・デント「今日の記者会見の目的は2つだ」
「まず 、ジョーカーへの対策は万全だと市民に知らせるため」(一同笑い)
デント「次にバットマンがマスクを脱ぐためだ」
「だがその前に聞く。ジョーカーの要求は受け入れるべきか?」参列者A「市民の命より無法者の自警市民が大事と?」
デント「確かに無法者だがジョーカーを恐れて彼を差し出すのか?以前は彼の戦いを歓迎していた」
参列者B「犯罪率は過去最悪だ」
デント「その通りだ。夜明け前は最も暗い。約束しよう。夜明けは来ると」
「いつか彼も裁かれる。だがジョーカーにではなく我々によってだ」参列者C「警官殺しはたくさんだ!」(賛同の声)
「正体を見せろ!」
バットマンによって悪との戦いが始まったというのが前作のバットマンビギンズでした。ダークナイトでは、バットマンが登場したことで犯罪率は上昇し、市民が危険に晒され、警官が犠牲になっていたという事実が、改めて突きつけられるのです。
バットマンが悪と戦っているときは正義のヒーローとして持て囃したのにも関わらず、バットマンは正義のヒーローならば名乗りでてすべてを終わりにしてくれ、これ以上の被害を被るのはゴメンだ、というような市民の声が大きくなっていたという様子をこの記者会見のシーンが表しています。ヒーローといえども、世論には圧倒されてしまっていました。
???「バットマンはここにいる」
???「私がそうだ」
字幕版なので音声は英語ですが、ある人物が「So will take batman in came cityhall… I am a batman」と発言してバットマンとして名乗りでます。
なんとブルースではない人物がバットマンとして名乗り出たのです。表向きにはバットマンの正体が明らかになった瞬間です。ジョーカーも喜々として登場します。
信じなきゃ何も始まらない
レイチェル「アルフレッド!ブルースは卑怯だわ」
アルフレッド「会見へ行った」
レイチェル「でも黙って見てた!」
バットマンが名乗り出れば、ジョーカーによる犯罪は収まるかもしれない。それでも、バットマンという悪を成敗する存在がこれからもゴッサムシティには必要だという信念があったので、ブルースは改めて訂正することはありませんでした。バットマンはその名乗り出た人物を、名乗り出た人物はバットマンを信じたのです。もっと言えばお互いの正義を信じたのです。信じなきゃ何も始まりません。小さな一歩でも一歩進んだことに価値があるのです。
レイチェルはバットマンがブルースに戻るその日まで、お別れの手紙をアルフレッドに託しました。レイチェルもバットマンが必要なくなる日が来ることを信じたのです。
勇者と悪者の違い
ジョーカー「お前はバケモノだ俺と同じさ」
「今は必要でも不要になったらたちまち世間のつまはじき者。世間のモラルや倫理なんてものは善人のたわ言だ。たちまちエゴむきだしになる。」
見せてやるよ、いざって時、いかに文明人とかいう連中が争い合うか。」
「俺は怪物じゃない。先が読めるだけさ」
バットマンはジョーカーによって決定的な言葉を掛けられます。市民の心を上手に掴んだジョーカーとそうでないバットマン。正義というものがどれほどあやふやな存在であるかを証明するかのようなシーンでした。
ジョーカーは恐怖によって市民を掌握し続けます。市民に街から一刻も早く脱出するようにと勧めるのです。それがパニックを引き起こし、ゴッサムシティから脱出するにはフェリーのみが頼りという状況に誘導されてしまいました。
そうして、囚人と一般人の一部をフェリーでゴッサムシティから脱出させることになりました。しかし、見事にジョーカーの罠でした。爆弾が積まれていて、お互いの起爆スイッチを渡されていたのです。「片方が起爆スイッチを押せばもう片方は海の中へと沈むものの、押した方は絶対に助かるというゲーム」に強制参加させられてしまったのです。
絶望の中で信じること
兵士「投票の結果は、反対140票、賛成396票だ」
市民A「決まりよ早くやって」
市民B「我々は生きてる(※残り4分で)ボタンは押されてない」
一般市民が乗っているフェリーでは投票によって、ボタンを押すという結果が出ました。しかし、肝心のボタンを押す勇気のある人がいなかったので、着々と時間だけが経過していきました。そうして残り4分になったとき、ふと一般市民の一人が肝心なことを言いました。そう、このギリギリの時間になるまでボタンは押されていなかったという事実は多少なりとももう一方の船を信用しても良いのではないかというきっかけになったのです。
囚人「渡せ。皆には力ずくで奪われたと言え」
「渡すんだ。10分前にすべきだったことをしてやる」(窓へポイ)
囚人の一人は窓から起爆装置を放り投げました。もしも、ジョーカーが起爆装置を押さなければ、全員助かる見込みがありました。その一筋の光を人々は信じました。「どちらも押さなかった場合は少なくともその瞬間はどちらも爆発しない」のです。これは自己保身に走るか、人間性を捨てずに最後まで信じるかという選択だったのです。
「何を証明したい?誰しも心の奥底は醜いと?」
「お前だけだ」
つまり、ゲームに負けたのは・・・。
どうやら永遠に戦い続ける運命だぜ
ジョーカーとバットマンはこうして光と影の存在として以後戦い続けることになるのです。
正義のために
バットマンは光の存在として目立ちすぎたことで、影から目をつけられるような事態になってしまい今回のような事件を引き起こしてしまうことになりました。そのことを根に持つ人物が一人いるのですが、その話は重大なネタバレになってしまうので省略します。これは大変に理不尽なシーンです。「なぜお前が・・・!!」と思わず言いたくなります。
ゴッサムシティに本当に必要なのは、ヒーローではなく抑止力でした。表の抑止力である警察と裏の抑止力である武装市民が協力する体制を取る必要があったので、このときに起きたことはすべてもみ消され、ほんの一部の人のみがその事実を知ることになりました。誰かが尻拭いをしなければならないので、罪を被って”ダークナイト”になりました。
おわりに
バットマン・アーカムナイト3部作の第2作目「ダークナイト」をレビューしました。
ダークナイトでは、
- 人気の敵「ジョーカー」登場!
- バットマンにとって本当の敵とは?
- バットマンシリーズでの「正義」とは何なのか?
ということがわかります。
次はバットマンが表から消えた後の「ダークナイトライジング」の記事でお会いしましょう!
次作(2/3)