t検定
これまではグループ分けを行ってきましたが、因子以外にも属性(性別など)や行動(SNSの使用動向)などの独立したデータで、クラスタ同士にどのような違いがあるのかを明らかにすることもできます。それがt検定です。t検定をするには”分析”→”平均の比較”→”独立したサンプルのt検定”を開きます。
検定変数に調べたいデータを、グループ化変数にクラスタデータを入れます。
比較するクラスタの選択
グループの定義で比較対象を設定します。
- 1-2
- 1-3
- 1-4
- 2-3
- 2-4
- 3-4
今回は4クラスタに分類したので、全部で6回比較するとすべてのクラスタが比較できるということになります。すべてのクラスタを比較して、違いを明らかにしましょう。
t検定の見方
t検定を行うとこのような表が出力されます。
t検定はとってもかんたんです。基本的には有意水準5%(0.05)ですが、もっと厳しい条件で違いを見出す場合には有意水準1%(0.01)で行うこともあります。今回は有意水準5%の例です。
- まずは図の中の①を見ます。有意確率が0.05以上か0.05以下かを確認します。0.05以上なら『上』、0.05以下なら『下』と覚えてください。
- 次に図の中の②を見ます。手順aで『上』なら上の段の数字を『下』なら下の段の数字を見ます。その数字が0.05以上か0.05以下かを確認します。
- 手順bの数字が0.05以下の場合のみ、図の中の③を見ます。平均値が大きい方がより積極的であり、少ないほうがより消極的であるということがわかります。
ちなみに、手順bの数字が0.05を超えているときは、2つのクラスタを比較したときにどちらも違いがない(=データに偏りがなくバラけている)ということを意味します。
この表からわかること
この表から読み取れるのは、「有意水準5%のとき、第1クラスタと第3クラスタの、SNS発信にはどちらも違いがないが、SNS収集は第1クラスタの方が積極的である」ということです。
- 第1クラスタは割引が大切な『価格至上クラスタ』
- 第2クラスタはデザイン『デザイン至上クラスタ』
- 第3クラスタは特にこだわりはない『こだわらないクラスタ』
- 第4クラスタはデザインも割引も『欲張りクラスタ』
割引情報に目がない第1クラスタにはSNSを利用したプロモーション活動が有効です。
このアンケート調査を行ったお店のお客さんは、こだわりなくあるものを購入していく人が多数を占めていますが、新たに価格に敏感な人々を呼び込みたいときには、SNSの活用をすることになります。
おわりに
以上にて、アンケートの分析は完了です。分析した結果をもとに、今までの振り返りをしたり、新たな計画を立てたり、を科学的に行うことができます。今回使用したデータはサンプルデータなので、結果に意味はありませんが、実際のアンケート調査結果を使用することで、正確な分析が行なえます。
なお、資料として使用する際には、調査日時、調査した場所や調査対象者が何人であったかのような調査条件を忘れずに記載しましょう!