ソウルにある歴史的観光名所!朝鮮王朝時代の王宮を復元した「景福宮」を訪れる
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景福宮
ソウル市内でも最も有名な歴史的観光地としても知られている景福宮を訪れてみました。景福宮はソウルの北側にある朝鮮王朝(李氏朝鮮)時代の王宮です。現役時代の建物は残されていませんが、王宮時代の建物の復元が進められており、韓国の歴史ドラマが好きな方なら楽しめる空間となっています。
王宮の敷地内には日本統治時代には朝鮮総督府、大韓民国が建国されてからも大統領府(青瓦台)が設置されるなど、政治の中心として使われてきました。1996年に朝鮮総督府の建物が解体され、2022年より青瓦台も一般開放が行われるようになり、歴史の舞台としての役割は終わりました。正門の光化門は2010年に設置当時の場所での復元工事が完了しています。
入場料
区分 | 料金 |
---|---|
外国人・大人 | ₩3000 |
外国人・小人 | ₩1500 |
韓服着用 | 無料 |
景福宮の入場料は韓国在住の市民料金と外国人料金に分かれています。入場料は大人₩3000、小人₩1500です。ただし、韓服という朝鮮半島の伝統的な服を着用すると無料となります。韓服はレンタルショップにて借りることができるので、記念に韓服を着て景福宮を散策するというのも悪くないかもしれません。
有料観覧エリア
正門の光化門が第1の門ですが、有料観覧エリアは第2の門である興礼門からとなっています。興礼門ではチケットチェックがあるので、チケットを持っていなければ手前にあるチケット売り場で入手することができます。また、韓服を着用している場合は無料で入場することができるので、そのまま通過することができます。
正殿の勤政殿
勤政殿は景福宮の正殿です。正殿とは大王の座がある敷地内で最も格式の高い建物です。1395年に建てられた正殿を後年に復元した建物を見学することができます。もし当時の建物がそのまま残されていたら世界遺産にも指定されていたかもしれません。
建物の正面には大王の座があります。現役の宮殿時代には、大王の座の前に上級文官や上級武官などの役人らが並んでいたはずです。今では王様の座席のみが設置されています。もっとも、王様が今でも現役で使っているなら、一般市民はまず王座を拝むことすら許されないことになっていたに違いありません。
当然といえば当然ではありますが、景福宮の中でも一番人気のある建物です。王宮の敷地内には付属の建物も多数あるのですが、時間に余裕が無いときはこの正殿のみを訪れたら及第点というほどの最重要建物です。
正殿よりも奥には役人の使用する建物などが続き、奥にある白岳の斜面には大王の居住空間も設置されていたそうです。大王の居住空間だった場所は、朝鮮王朝が滅びた後年にも大韓民国大統領府『青瓦台』として整備され、警備上の都合で2022年に役目を終えるまで政治の中心として長らく使われてきました。現在では景福宮よりも南側にいわゆるソウル中心部は広がっています。
王宮内の様々な施設
時間的にも余裕があったので、正殿の後ろ側に広がっている王宮の付属施設も見学してみることにしました。
景福宮では正殿以外の建物についても史料に基づき復元が進められています。一度にすべての建物を復元することは現実的ではないため、順次復元が行われている状況となっています。それぞれの建物にはそれぞれの用途があったのですが、現地で見ている分には似たような構造の建物が並んでいるだけなので、色々と具体的に知りたい場合はあらかじめ調べてから行ったほうが良さそうです。
役人の執務用の建物や住居などとして使われていた建物ですが、構造的には夏用の建物と冬用の建物の2種類に分けることができます。開口部が大きく取られていて、土台が低く作られている建物は、夏用の建物です。風を大きく取り入れることができるように大きく開くことができるようになっています。
一方で冬用の建物は、開口部は狭く、土台は高く作られています。冬用の建物にはオンドルが設置されているので、オンドルの分だけ夏用の建物よりも土台に高さが必要となっています。オンドルは韓国で歴史的に使われている床暖房の仕組みです。建物自体を大きなかまどのような形状にすることで、煙突内を通過する熱を床に伝えて暖かく過ごすことができます。ちなみに、現代でも韓国の建物ではオンドルが設置されていますが、従来のかまど式ではなく温水を循環させる床暖房式が主流となっています。
庭園
王宮内には庭園もあるので、敷地外に出ることなくリフレッシュができるようになっています。朝鮮王朝は中国と日本の中間地点にあるという地の利もあり貿易の中継地点として大きく栄えました。
国立民俗博物館
景福宮は一通り見て回ったので正面口に戻らないで東口から外に出ることにしました。東口から外に出ると国立民俗博物館の前に出ます。国立民俗博物館は朝鮮半島に住んでいる人々の暮らしについて焦点を当てた博物館です。景福宮とは違って無料で入場することができます。
屋内には昔に行われていたものから今でも行われている年中行事やライフイベントについてのの展示があります。屋外には伝統的な民家が展示されています。景福宮が昔の王宮を復元したと言ってもあくまでも建物が主体の展示となっているため、国立民俗博物館も合わせて見学すると展示内容が補完されます。
衛兵交代式
景福宮の正門へと戻って来ると衛兵交代式が始まっていました。宮殿として使われていた時代には24時間を区分して一定の時間毎に警備担当の衛兵が交代していました。すでに宮殿として使われなくなって久しいのですが、観光客向けに1日1回衛兵交代式が開かれています。衛兵交代式が始まると太古の合図に合わせて入場してきます。
手前が交代する側で、奥にいるのが前の時間に警備を担当していた側です。何をしているのかは多国語対応で説明アナウンスがあるので、よく見える位置にいれば状況はすぐに理解できるようになっています。多国語のなかにはもちろん日本語も含まれているので、言語の壁を感じることなく楽しめます。
隊長と副長が前に出てきて、門の鍵の受け渡しを行うと交代が完了です。流儀にしたがって衛兵の交代が完了したら、衛兵交代式は終了です。一旦全員退場しますが、隊長は戻ってきて門の前でしばらく記念撮影に応じてくれます。衛兵交代式は見応えがあったので、せっかくなら交代だけでなく常に警備をしていたら宮殿らしさが出て良さそうです。
光化門広場
光化門からまっすぐに南方面へと伸びている道路に沿って、光化門広場という公園が設けられています。2009年に再開発によって作られた緑地
光化門広場には李氏朝鮮王朝第4代国王の世宗大王の銅像と李舜臣像があります。豊臣秀吉による朝鮮出兵にあたって発生した文禄の役・慶長の役では朝鮮側の将軍として水軍の指揮を行った人物です。最期は慶長の役末期に砲弾にあたって戦死したとされます。歴史的な評価としては過大評価という面もあるようですが、少なくとも韓国においては李舜臣が侵攻に対して反撃を行ったということで『救国の英雄』として扱われています。
おわりに
景福宮を訪れて朝鮮王朝時代の王宮を復元した建物を見学しました。建物や建物間の配置など『原寸大の復元』が進められているので当時の王宮がどのようなものだったのかを実際のサイズで知ることができます。中国歴史ドラマをはじめとしたアジア圏の歴史ドラマが好きな方ならきっとこの規模で復元されている景福宮は見ごたえを感じるのではと思います。ソウル観光でも一番の観光地となっているので、韓国の首都ソウルを訪れた際にはぜひ訪れてみてください。