高山市にある国指定史跡！江戸幕府直轄領だったときの代官所「高山陣屋」を訪れる
はい、皆さんこんにちは。日常生活が楽しくなる情報をお伝えすることを心がけている、旅する写真家のいんたらくとです。
高山陣屋
今回は高山陣屋を訪れています。高山陣屋は江戸時代に作られた代官所です。経済的な中心地や重要資材の産地は幕府が直接統治する直轄領として指定されており、陣屋はそういった直轄領につくられた役所です。天領や幕領などと呼ばれる直轄領は北から南まで日本中に設定されていましたが、当時からの陣屋が現存しているのは高山陣屋のみだそうです。江戸時代以降も近代まで役所の庁舎として使われ続けたことによって再開発の波から外れたことが、貴重な建物を今に残すことに繋がったということのようです。国指定史跡には1929年に指定されています。
陣屋前朝市
高山陣屋前朝市は、陣屋の前にある広場にて年中無休で開催されている朝市です。朝からおおよそ正午ごろまで地元産の農産物やご当地グルメが並んでいます。
入館料
| 区分 | 料金 |
|---|---|
| 一般 | 440円 |
| 高校生以下 | 無料 |
高山陣屋の入館料は一般440円で、高校生以下は無料です。館内は土足厳禁となっているので、入口で靴を脱ぐ必要があります。館内を歩く際には靴を靴袋に入れて移動します。夏は特に問題はないのですが、冬は足元がとても冷えるそうなので必要に応じて上履きやスリッパなどを用意したほうが良いかもしれません。スリッパの貸出は行っていません。
館内の様子
職務空間
最初の部屋は御役所です。行政に関わる職員が勤務する空間です。
続いて御用場という部屋があります。御用場は
役人の職務部屋に続いてある小さな部屋は書役部屋です。行政書類の作成に使われていた部屋です。
湯呑処
職員の憩いの場となっていたであろう場所が湯呑所です。現代風に言うなれば休憩室です。
女中部屋
渡り廊下の先には女中部屋があります。掃除や炊事など身の回りの世話を担当している人が使用していました。
炊事場
炊事場にはかまどや土間があります。毎日の食事が作られていた場所です。
板の間の交換用の木材が積み上げられていました。痛みが出てくると裏返して、表裏で2回使った木材は新しいものと交換されます。交換された古い木材は炊事場等で薪として使われていたそうです。
居住空間
長持という収納用品が展示されていました。時代劇で棒を渡して担いでいたり、馬に引かせてるのを見たことがあるかもしれませんが、実際に見てみると結構な大きさであることが分かります。
左奥には茶室も備える代官の居住空間です。中庭も整備されている景色の良い部屋となっています。
通路も板張りではなく畳張りになっています。部屋の内側かつ代官や上級職員が通る場所ということもあって、通路にも畳が敷かれているのかなと思われます。
居間はその名前の通り、日常的に代官が生活していた場だそうです。他の部屋と比べるとゆったりとした空間となっています。
使者の間
使者の間は、幕府から視察のために派遣された役人が滞在する部屋です。
牢獄
罪人の取り調べを行ったり判決をする場が御白河です。高山陣屋にも取り調べの際に使用したという道具が置かれていますが、実際には陣屋ではなく別の場所にあった牢屋にて行われていたと考えられているそうです。
御蔵
陣屋の建物の外には御蔵という土蔵があります。もともとは高山城に設置されていたものを1695年に移築されて使われてきたものだそうです。
主な用途としては、年貢として集めた年貢米を貯蔵しておくためのとして使われてきた蔵で、現存する江戸時代の米倉のなかでは最大のものと言われています。すべての蔵の中に米俵が所狭しと積み上げられていたそうです。
現在は建物内で当時の史料を展示する博物館になっています。蔵の展示も量が多いのでじっくりと見るならそれなりに時間を取って置いたほうが良いかなと思われます。
ぐるっとひと回りして正面へと戻ってきました。入口は正面で、出口は蔵にあるので、順路に沿って進むとぐるっと回れるようになっています。
旧高山町役場
高山の市街地には高山陣屋や三町歴史保存地区など江戸時代からの建物が中心となっていますが、他にも明治時代に作られた旧高山町役場も公開されています。江戸時代の役所と明治時代の役所では建物の構造が異なります。歩いて行くことも可能なので、歴史的な建造物に興味がある方はぜひ旧高山町役場にも立ち寄ってみてください。
おわりに
江戸時代の代官所だった高山陣屋は高山市内でも代表的な観光スポットです。現存する陣屋の中でも最大規模というだけあって、とても見ごたえのある建物でした。江戸時代を中心に取り扱う時代劇が好きな方であればずっと見ていられるかもしれません。幕府直轄領の統治が行われた歴史的な舞台にぜひ立ち寄ってみてください。
