麹文化を感じる仕込みに挑戦!郡山の麹宝来屋本店で「味噌づくり」を体験する
はい、皆さんこんにちは。日常生活が楽しくなる情報をお伝えすることを心がけている、旅する写真家のいんたらくとです。
宝来屋本店
今回は福島県郡山市で味噌の製造を行っている株式会社宝来屋本店の本社を訪れました。1906年に宝来屋麹店として創業した『麹』の専門店でした。三五八漬けを作るための原材料としての麹の取り扱いから始まり、現在では味噌や甘酒など麹から作ることができる発酵食品の数々を製造しています。
三五八漬けとは、福島県の郷土料理として食べられている塩3、米麹5、米8の割合で混ぜ合わせて作る漬物です。宝来屋本店がその名を広めるきっかけになったのは、三五八漬けをより手軽に作れるように調合済みの状態にした『三五八漬けの素』を展開したからと言われています。
本記事は、福島県観光交流課の主催する『ふくしま発酵ツーリズム推進事業』モニターツアープログラムに参加し、滞在に際して支援を受けて作成しています。
味噌は米麹の発酵食品
味噌は麹を使った発酵食品です。味噌づくり体験の前に宝来屋の概要と発酵食品についてのスライドを使った説明がありました。発酵とは人間に有益な微生物が増えることで、腐敗とは人間に有害な微生物が増えること。発酵と腐敗には状態の変化として大きな違いは無いそうです。麹菌は条件さえ揃えばカビにも強い菌ではあるものの、発酵と腐敗が表裏一体のものであることから、念には念を入れて安心して食べられるように現代の衛生基準に沿って各製品の製造を行っているんだとか。
味噌づくり体験をする
スライドによる説明を聞いたあとはいよいよ味噌づくり体験です。味噌づくり体験は予め計量と下準備が済ませてある米麹、大豆、塩を混ぜ合わせる仕込みの工程を行いました。ちなみに、仕込み段階のペースト状のものを試しに食べてみると『かなりしょっぱくて固い塊』でした。
空気が入ると乾燥してカビが発生してしまうことがあるので、できるだけ空気に触れないようにみっちりと詰めて、ラップと重りの水袋を載せたら味噌づくり体験は完了です。約1ヶ月後に天地返しという発酵の進み具合を均す作業がありますが、残りはほぼ麹にまかせて待つだけです。原料の仕込みを行ってから味噌として完成するまでは約半年かかります。半年の間に麹が大豆を発酵させて『味噌』へと変化させていきます。
おわりに
宝来屋本店では予約すれば工場見学も可能なようでしたが、今回はスケジュールの都合で味噌づくり体験のみの実施でした。
均一に混ぜ合わせなければならないので、ただ混ぜるだけといっても意外と大変でしたが、半年後にハンドメイドの美味しい味噌が食べられると考えれば良い体験です。ほぼ麹の力で作られるので、よっぽど環境が悪くなければ失敗することもありません。完成するまでの発酵の過程も見どころだそうです。半年後に美味しい味噌ができるのを楽しみにしたいと思います。