就航50周年記念の特別便!大洗から苫小牧まで「フェリーさんふらわあふらの」のツーリストで移動する
はい、皆さんこんにちは。いんたらくとです。
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商船三井フェリーさんふらわあ
商船三井フェリーさんふらわあは北海道の苫小牧港と茨城県の大洗港を結ぶカーフェリーです。飛行機や新幹線と比べると所要時間はかかりますが、カーフェリーなので自動車を貨物室に預けて一緒に移動する事が出来ます。また、カジュアルクルーズというキャッチフレーズで、のんびりとした船旅が好きな方を中心に熱烈な支持を集めています。
運賃だけで比較したときにはLCCを含めると飛行機のほうが安価に移動することも可能ですが、海を見ながら美味しい食事が食べられるという船旅ならではの楽しみが出来ます。また、手荷物の持ち込みに関する制約が飛行機よりも緩やかな点や移動手段としてだけでなく宿泊施設としての役割も担っているので横になってゆっくりと睡眠時間を確保しつつ移動することが出来ます。
苫小牧行き運行ダイヤ
苫小牧行き運航便 | 大洗港発 | 苫小牧港着 |
---|---|---|
夕方便(ふらの・さっぽろ) | 19:45 | 翌13:30 |
深夜便(しれとこ・だいせつ) | 01:45 | 19:45 |
茨城県の大洗港を夕方に出発すると翌日の13時30分に到着する夕方便と、その日の日付を跨いだ深夜に出発して19:45に到着する深夜便が運行されています。今回は大洗港を19:45に出発する夕方便に乗船してみました。
大洗行き運行ダイヤ
大洗行き運航便 | 苫小牧港発 | 大洗港着 |
---|---|---|
夕方便(ふらの・さっぽろ) | 18:45 | 翌14:00 |
深夜便(しれとこ・だいせつ) | 01:30 | 19:30 |
北海道の苫小牧港を夕方に出発すると翌日の14:00に到着する夕方便と、その日の日付を跨いだ深夜に出発して19:30分に到着する深夜便が運行されています。苫小牧発のほうが大洗よりも早く出発するので時間に注意です。
客室等級と運賃
等級 | A期間 | E期間 |
---|---|---|
スイート | 47,700円 | 69,500円 |
プレミアム | 26,800円 | 43,900円 |
スーペリア(オーシャンビュー) | 20,500円 | 31,900円 |
スーペリア(インサイド) | 18,500円 | 29,800円 |
コンフォート | 13,100円 | 22,500円 |
ツーリスト | 9,800円 | 19,200円 |
旅客需要の多い夕方便は、大まかに5段階の客室等級があります。ツーリスト、コンフォートは、1人につき1寝台の割当です。ツーリストは運賃計算上の最も基本となる等級で大部屋に雑魚寝です。一方でコンフォートは客室そのものは大部屋ではありますが、カプセルホテルのように個人の空間が確保されています。
スーペリア、プレミアム、スイートは個室の客室となっています。客室の中でも最も多いスーペリアは、洋室、和室、和洋室の3種類から好みに合わせて選ぶことが出来ます。なお、個室の場合は最低利用人数が定められているので、最低利用人数を下回るときは船室貸切料金が必要となります。
安価に大洗港へ行く方法
手段 | 運賃 | 所要時間 |
---|---|---|
路線バス | 560円 | 約40分 |
鹿島臨海鉄道・徒歩 | 330円 | 約35分 |
水戸から大洗港まで安価に移動するなら鹿島臨海鉄道と徒歩がおすすめです。水戸駅からは大洗港行きの路線バスにも乗車することが可能ですが、早くて安く本数があるのは鉄道です。
ただし、パシフィックストーリーを利用する場合は、路線バス一択です。パシフィックストーリーは、東京駅から大洗港行きの高速バスまたは、水戸駅行きの高速バスを乗り継いで大洗港まで移動する運賃が含まれています。
今回は就航50周年記念で全運賃が50%OFFになる特別なキャンペーンを実施していたので、パシフィックストーリーは利用しませんでした。
鹿島臨海鉄道で大洗駅へ
水戸駅から大洗駅まで鹿島臨海鉄道に乗って移動します。鹿島臨海鉄道は鹿島臨海工業地帯の貨物輸送線として営業を行なっていた第3セクターの鉄道会社で、鹿島大洗線は国鉄の路線として建設されていたものを開業する前に移管することになった路線です。水戸駅ではJRの改札の中に乗り場があります。
大洗駅までは約15分で運賃330円と路線バスよりも早く安く移動することができるため、フェリーで安価な旅をするのに便利な路線です。大洗はアニメガールズ&パンツァーの舞台としても知られ、街全体の取り組みとして聖地巡礼を楽しめるような取り組みを行っています。さまざまなところにガールズ&パンツァーにちなんだ展示があります。
大洗駅から徒歩約10分
大洗駅から大洗港フェリーターミナルまでは徒歩約15分です。駅からはほぼまっすぐ進むだけなので迷わないと思いますが、駅には観光案内所があるので、道がわからなければ聞くと教えてもらえます。
曲がり角にスーパーがありました。フェリーターミナルには特にお店は無いので、食べ物や飲み物で持っていきたいものがあればここで調達すると便利です。ただし、水戸周辺の物価は東京よりも高めだったのでロープライスを売りにしているスーパーでもやや高めに感じました。したがって、なにか持ち込みたいのであれば前もって準備しておくに越したことはありません。
大洗駅から歩いてきてスーパーや展望台が見えたら左に曲がると次の交差点で大洗カーフェリーポートと書かれた大きな門が立っています。この門が大洗フェリーターミナルの入り口です。フェリーに乗船する場合は、車でも徒歩でもこの門をくぐって中に入ります。
フェリーターミナル到着
まっすぐ歩いて行くとフェリーターミナルが見えてきました。奥には今回乗船するさんふらわあふらのが船着き場に停泊していました。苫小牧を夕方に出発し、大洗にお昼ごろに到着した船です。停泊中の数時間の間に食料の積み込みや清掃が行われています。
ターミナルでの乗船手続き
車を乗せない場合は、車についての手続きが無いのでその分スムーズです。乗船手続きはおよそ3分程度で完了しました。乗船手続きは出港の約3時間前から可能ですが、乗船出来る時刻は18時頃です。乗船締め切り時刻はこの日は19時までとなっていました。お風呂やレストランの営業は出港する前から開始されるので、18時の乗船時間には乗船出来るように手続きを済ませる事をおすすめします。
乗船手続きを行なうと磁気式の乗船券が出てきます。乗船券が部屋のカードキーを兼ねています。個室の場合はそれぞれ部屋として独立しているので、部屋に入る際にはカードキーを差し込んで解錠することになります。ただし、今回滞在する客室等級は『ツーリスト』です。ツーリストは大部屋なので特に鍵として使う事はありません。上下船時の確認の為のスキャン以外に使うことはありません。
手続きはものの数分で終わりましたが、乗船時間になるまでは乗船することが出来ません。乗船が開始されるとアナウンスされるそうなので、フェリーターミナルのロビーで待機することにしました。出発時間の約30分前が最終の乗船終了となるので、それまでに戻ってくる事ができるなら周辺を散策することも可能です。
予定通り18時に乗船開始
18時になって乗船が開始されました。個室または指定席になっているので乗船時に慌てる必要はありません。一度乗船してしまうと目的地まで下船する事が出来ないので、忘れ物が無いように乗船します。乗船開始と同時に大浴場が利用可能です。おそらく乗り慣れている感じの人が早速お風呂を利用していました。また、レストランの営業は18時30分からなので、準備が完了次第食券の販売も行われています。レストラン利用を希望する場合は食券の購入に行くことをおすすめします。
雑魚寝ツーリスト客室の様子
今回の客室は5T03号室の7番寝台でした。ツーリストは雑魚寝の大部屋ですが、足元までカーテンを締めることが出来るので、視界が遮られてプライベート感もそれなりにあります。感染症対策のためにグループを除いて左右は必ず1寝台ずつ開けるようになっていたので空間としては広めに取られておりとても快適でした。
荷物は100円返却式のコインロッカーが外の廊下に設置されています。返却式なので、滞在中はロッカーから荷物を出し入れすることが出来ます。雑魚寝のツーリストとカプセルホテルのようなコンフォートは、1人あたりのスペースこそ狭めではあるのですが、荷物置き場としては客室とは別に確保されているので、思っていたよりも狭さは感じません。
ベッドメイクはセルフです。布団セットと綺麗なシーツが2枚配置されているので、乗船したら各自で布団を敷きます。
- マットレスを広げる
- マットレスカバーを付ける
- 1枚目のシーツをかけて端をマットレスの下に折り込む
- 2枚目のシーツを枕に被るように広げる
- 掛け布団を広げる
- 2枚目シーツの端を折って掛け布団を巻く
敷布団と掛け布団は再利用されているもののようだったので、一緒に設置されている綺麗なシーツを使ってベッドメイキングを行います。ベッドメイクの仕方について特に指定はありませんが、上記手順で広げると良いかなと思います。めんどくさくなったのかそのまま寝ている人もいましたが、座布団と同じで気にならなければそのままでも特に問題は無さそうでした。
レストランで2食セット券を入手する
夕朝2食セット | 2700円 |
夕食 | 2000円 |
朝食 | 1200円 |
夕食と朝食は船内のレストランで食べることが可能です。夕食の場合は2000円のビュッフェか1000円の定食から選ぶことができます。朝食は1200円のビュッフェのみです。到着前には500円程度の軽食が提供されます。夕朝2食セット券はそれぞれ別々に注文するよりも通常価格よりも500円安くお得に利用することができます。
コストを抑えたいという方は乗船前にカップ麺などを入手して持ち込むと食事代の部分も安く済ませることが可能ではありますが、せっかくフェリーの旅を楽しむのであれば、食事はレストランで食べたほうがより旅行として楽しめると思います。安価な旅行を目的とした人のために1,000円前後の定食メニューもあるので、船の上で食べることを考えると悪くはありません。この日は就航50周年の特別な夕食が提供されていたので、定食メニューはありませんでした。
出港前に船内散策
夕食の時間にも出港する時間にも余裕があったので、船内を散策してみることにしました。今回乗船したさんふらわあふらのは2017年に新造船として就航した2代目のフェリーで、乗船した時はまだまだ6年目とどちらかと言えば新しい類に入ります。上下船口の近くにはインフォメーションカウンターがあります。深夜帯を除けば案内係の方が対応を行っています。
ランドリールーム
ランドリールームもあります。出港してから到着するまでにかなり時間がかかるので、長期間の観光等の間の移動としてフェリーを使うなら絶好の洗濯の機会でもあります。ただし、ツーリストとコンフォートの場合は干す場所が無いので、乾燥機能がしっかりと働くことを願うのみではあります。
展望デッキ
デッキに出てみました。まだ港の中にいるので波は穏やかでしたが、すでに海の上にいるということで風は冷たくすぐに中に戻りたくなりました。
乗船開始から1時間半は大洗港から動かないので、まだ当面はこの景色が変わることはありません。出港までの時間が結構空いていますが、一般の自動車が乗り込んだあとに大型トラックの貨物を積み込む作業が行われています。大型トラックの貨物室の部分だけをフェリーで運び、到着地で大型トラックの頭の部分が迎えに来るという流れです。
自動販売機
船内には自動販売機もあるので、いざという時は飲み物を購入することも可能です。船内料金になっているので決して安いわけでは無いという点については注意が必要です。
ラウンジ
24時間どの等級の乗客でも自由に使えるラウンジがあります。5階と6階にあるので、空いているところに座って飲食や雑談などすることが出来ます。個室の場合は作業スペースというものもありますが、ツーリストとコンフォートの場合は部屋に机も無いので、なにか作業をしたい場合はラウンジを利用することになります。
50周年記念夕食の肉肉肉丼
さんふらわあ就航50周年記念でケーキが展示されていました。展示用のケーキと同じようにつくられたフルーツの乗ったショートケーキもカウンターで提供されています。
メインは肉肉肉丼を選びました。通常の夕食はビュッフェスタイルですが、50周年特別メニューということで、海鮮丼か肉肉肉丼を選ぶようになっていました。肉肉肉丼には牛肉のローストビーフ、豚肉のしゃぶしゃぶ、鶏肉の唐揚げであるザンギ、というように3種類の肉がたっぷりと乗せられています。ご飯はやや少なめだったように感じますが、かなり満足度の高いメニューでした。
旅行中は野菜を食べる機会が減りがちですが、新鮮な野菜のサラダもたっぷりと食べることが出来ます。
ケーキもフルーツがふんだんに使われているので、さっぱりと美味しく食べることが出来ます。メインの豪華な肉肉肉丼を食べたあとにコーヒーを飲みながらのんびりとデザートタイムを過ごすことができました。
レストランで夕食を食べ終わった頃に出港の時間となりました。乗船してからたっぷりと食事も食べて満足満足となっていますが、実はまだ出港していませんでした。食後のコーヒーを部屋に持ち帰りつつ出港の様子を眺めました。港の係の方が誘導棒を振っているのが見えます。大洗から苫小牧まで東日本を縦断する約15時間の航海のはじまりです。
船内散策の続き
出港してしまうと暗闇の海の中を航海するので、デッキからの景色はほとんどありません。時折灯台の灯りが見えるものの真っ暗闇が続きます。夕食のために中断していた船内散策を再開しました。
給湯室
各フロアに給湯室があります。給湯室には、カップ麺を作るのに便利な高温のお湯や電子レンジが設置されています。冷水のウォーターサーバーも用意されているので、水はいつでも自由に飲むことが出来ます。
通常客室の廊下
今回宿泊しているツーリストは場所だけで言えば手前の便利なところにあります。スーペリア以上の客室は廊下を通って部屋へと向かいます。
営業終了後のレストラン
営業終了したあとのレストランは翌日に向けて通常メニューの案内に戻っていました。お風呂に入ったり部屋で事前にダウンロードしておいた動画を見たり、夜風を浴びにデッキに行ったりと、のんびりと過ごしているうちに夜が更けていきました。
ツーリストは夜の10時になると電気が夜間点灯に変わるので、パソコン作業等はロビーで行います。部屋の中などインターネットは繋がりにくい箇所もありましたが、思っていたよりは常時繋がっている印象でした。必ず通信できる環境とまでは言えませんが、事前に予想していたよりもずっと快適に電話やインターネット通信を行うことが出来ました。
朝食は海を見ながらビュッフェ
朝から朝風呂も入ってさっぱりとしたところで、朝食ビュッフェを食べにレストランへと向かいました。
オムレツやスパゲッティなどのメニューが並んでいます。スパゲッティミートソースが茹で加減も味もピッタリでとても良いです。メニューの内容自体はいわゆる普通のビジネスホテルの朝食なのですが、どれを食べても美味しいので全体的な満足度は高めです。
見た目は地味なのですがいわゆる常備菜的なメニューが特に美味しくご飯が進みます。
小籠包と醤油ラーメンはあって嬉しいメニューです。食事の最後に締めのラーメンも食べておけば、お昼すぎの下船時も空腹に悩まされる心配はありません。
朝ごはんも海を眺めながらデザートまで食べられて満足度はとても高めです。
コーヒーや紅茶でも飲んだらレストランを後にしました。ちなみに、朝食営業が終わった後に、レストランの座席の一部はフリースペースとして開放されていました。また、苫小牧港に到着する直前にはカレーなどを単品で注文して食べる形式の軽食を提供していました。ただ、夕食と朝食をしっかりと食べておけば、正直軽食の時間帯には特に食事をしなくても良いかなと思います。朝はのんびりとしたいという方の場合は、朝食のかわりに軽食を食べるというのも良いかもしれません。
朝食後の船内散策
明るくなって天候が良くなっていたのでデッキに出てみるとちょうど青森県六ケ所村にある風車が見えました。まもなく陸地を離れてまっすぐと苫小牧まで一直線に向かいます。
ちなみに、昨晩は低気圧が近づいていた影響で海面は白波が立って一晩中揺れていました。デッキは油断すると飛ばされてしまいそうな冷たい強風と雨風が吹き付けていたのでとても出られませんでしたが、船の中にいればハンモックで風に吹かれているような心地よい揺れでした。
展望大浴場とサウナでリフレッシュ
夕方は18時から22時まで、朝は5時半から下船時まで展望大浴場のお風呂やサウナを利用することが出来ます。日が昇るまでは窓の外は真っ暗で何も見えません。せっかくの展望が目玉の大浴場から真っ暗で何も見えなかったではもったいないので、朝になって再び大浴場に来てみました。どこまでも広がる海を見ながらサウナや湯船に浸かることが出来る癒やし空間となっていました。
苫小牧港に到着する
陸地が見えてから接岸まではあっという間でした。苫小牧港に接岸して出入り口が船につけられました。苫小牧港に近づく頃には昼食の軽食の提供が行われていますが、朝ごはんをしっかりと食べたので代わりに軽食は食べませんでした。
苫小牧港に入港してから下船まではおよそ30分程度はかかっています。既に見えているので下船までの時間が長くとても長く感じます。下船時に乗船券をスキャンするので、スムーズに下船を行なうためには事前に乗船券を準備しておく必要があります。乗船券をスキャンしないと下船できないので、なくした場合は速やかにスタッフの方に申告してください。
苫小牧港からは高速バスで札幌駅へ
苫小牧港と札幌駅は中央バスの高速とまこまい号に乗れば途中の乗換なしで約2時間で到着します。運賃も約1000円と苫小牧駅から札幌まで鉄道で移動するよりも安く便利に移動することが可能です。あまりの需要の多さで乗り切れず臨時の増便が来ることになりました。
パシフィックストーリーというお得なチケットを利用している場合は東京駅から大洗港までの高速バス、大洗港から苫小牧港までのフェリー、苫小牧港から札幌駅までの高速バスがセットになっています。今回は就航記念キャンペーンを利用したのでフェリーのみだったので、札幌までの高速バスはセットには含まれていませんが、渋滞などの時間さえ気にしなければ高速バスはとても便利なので高速バスを利用しました。
おわりに
今回はフェリー就航記念の割引セールでとてもお得に乗船することができました。今までも乗船してみたいと考えていたのですが、なかなか実際に乗る機会が無かったのでとても楽しめました。フェリーでの移動は所要時間はかかるものの、美味しい食事を食べて大浴場でお風呂に入ってというのんびりとした時間を過ごすにはとても快適でした。飛行機や新幹線のようなスピード感はありませんが、のんびりとした時間は他の移動手段では味わえないとても貴重な体験でした。移動手段としてだけでなく、リフレッシュも兼ねて乗船するととても楽しめるかなと思います。